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そこまで考えたところで、敵の士官がやってきた。タツオの首の後ろにある硬化解除のスイッチを押してくれる。こわばった足を何度か曲げ伸ばししてから、なんとか立ちあがる。先輩将校に聞いてみた。
「中尉殿、戦闘訓練はどうなりましたか。ぼくたち1軍が最後の生き残りだったんですか」
二十代なかばの中尉がにやりとやけにうれしそうに笑っていった。
「いいや、残念だったな。おまえたちの1軍は第2位だ。菱川が指揮した4軍が敵の隊旗を奪って勝利した。さっきのは戦闘終了のサイレンだ」
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