移動中…

3/13
前へ
/13ページ
次へ
「たったひと月半で身体を完全に変化させていたな。  有香里でどれほどかかったんだ?」 「はい、3年です…」 有香里は、『犬に負けたぁー!』などと思っているようですが、 当時の有香里はまだ人間だったのでそれは仕方のないことです。 グランは犬には違いありませんが、動物の妖精でしかもヒトの言葉を話せるので、 ヒトと何ら変わらないどころか逆に優秀かもしれません。 「だが、気孔術はなんでもアリの魔法とは訳が違うのに、よく翼を生えさせたもんだ。  あれには感動したぞっ!」 功太は有香里の術を絶賛しました。 「はあ… とにかく飛ぶだけでもと思って…  今では役に立ちませんけど、私にとって最愛の翼です」 「役に立たないわけないだろ。  オレ達にできないことができるんだ。  …空中で素早く止まれるのはお前だけだ」 「ああっ!  そうでしたっ!  できればお役に立ちたいと思っていますっ!」 悪魔や死神である功太たちは、死後の世界の住人の特権で自由に空を飛べますが、 素早く止まることは翼でもない限り不可能なのです。 それができるのは有香里ただひとりだと、功太は有香里を褒め称えたのです。 「面白い映像を見せてやろう。  …アストール…」 功太の緑の妖精のアストールが、     
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加