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「たったひと月半で身体を完全に変化させていたな。
有香里でどれほどかかったんだ?」
「はい、3年です…」
有香里は、『犬に負けたぁー!』などと思っているようですが、
当時の有香里はまだ人間だったのでそれは仕方のないことです。
グランは犬には違いありませんが、動物の妖精でしかもヒトの言葉を話せるので、
ヒトと何ら変わらないどころか逆に優秀かもしれません。
「だが、気孔術はなんでもアリの魔法とは訳が違うのに、よく翼を生えさせたもんだ。
あれには感動したぞっ!」
功太は有香里の術を絶賛しました。
「はあ… とにかく飛ぶだけでもと思って…
今では役に立ちませんけど、私にとって最愛の翼です」
「役に立たないわけないだろ。
オレ達にできないことができるんだ。
…空中で素早く止まれるのはお前だけだ」
「ああっ!
そうでしたっ!
できればお役に立ちたいと思っていますっ!」
悪魔や死神である功太たちは、死後の世界の住人の特権で自由に空を飛べますが、
素早く止まることは翼でもない限り不可能なのです。
それができるのは有香里ただひとりだと、功太は有香里を褒め称えたのです。
「面白い映像を見せてやろう。
…アストール…」
功太の緑の妖精のアストールが、
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