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周りから見れば、自然と滑らかに切れていく人間の足が何ともリアルで、血が滴り落ちてボトボトッと落ちていく肉に辺りの人間は言葉を失っていた。
あと、16人。
勇「だ、誰なんだ!何処にいるんだ!?姿を表せ!」
躍起になった勇者が剣を振り回し、恐怖で固まりつつある瞳を見開いて辺りを探す。
そのすぐ後ろで怯えていた貴族のような男の首に、気付かれないように糸を垂らし、ゆっくりと引く。
「はひぇ…!?ゆ、勇者様!お、おたすけ…ぇ?!」
勇「っ!?そこか!?」
男に声を出させて、その後すぐに身体にも巻いた糸によって、振り向きざまに剣を振るった勇者のすぐ後に立たせてみた。
するとどうだろうか?
ーザクッ…!!
「はぇ…?」
勇「っ…なっ!?」
勇者自身そんなに力を入れていなかった刀だったとしても、刀の先に糸を括り付けて勢いを付けさせ、男の身体も勢いよく近づければ簡単に。
それが切れ目を入れていたものなら尚更、貴族の男の首は綺麗に飛んだ。
周りから見れば、恐怖に駆られて勇者に近寄った男が、勇者の剣によって首を跳ねられたのだ。
勇者の瞳は絶望と驚きに変わった。
それを確認したあと、宋史様に頂いた転移の結晶を使ってノンアクションでルシファーは部下と変わった。
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