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姫「…き…きゃぁぁぁぁあああああ!!」
勇「っ…なっ……くそっ……姫!」
その現場をモロに見た姫が叫び声を上げて、振り返って見てしまった勇者は、一瞬絶望を浮かべるも姫の元まで走りよる。
勇「姫っ…お怪我はないですか!?…っ無事でよかった…」
勇者は姫を大事そうに抱き締めると、姫も先程とは打って変わって別人のように弱々しく勇者に縋りよる。
姫「ゆ、勇者様…お待ちしておりましたっ…!家臣らも何人かが…っ…亡くなってしまって…」
勇「っ…く、そっ…!魔族め!!」
勇者は姫の言葉を聞き、あたりを見回して幾体かの死体を見て、そう悪態をつく。
すると、それに広間の人々が反応し、口々に発言をする。
「やはり…!」
「そ、そんな…!魔族がここまで!?」
「いやぁぁあ!」
姫「っ……やはり…そうなのですね…!魔族が…」
姫自身も憎々しげな顔になり、歯を噛み締めて呟く。
広間は犯人を見つけたと言わんばかりに殺気立ち、同時に勇者が来たことにより先程までの怯えは無くなっていた。
ではそろそろかと、ルシファーは最後の仕上げにかかる。
城の外に用意した幻獣により、ギルドの戦える者達はこちらに来るにはまだまだ時間がかかり、城の中の道も幻惑により今広間にいる者以外はここには来れないようにしてある。
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