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アラインは大昔だが、人間と深く関わっていた存在だった。
人間に裏切られたが、少しは良心の呵責もあるだろう。
ケインは人間に興味が止まないと言っていた。
人間の魂を見つめ続け、死後の旅先を案内していく。
そして私は、「魂」を集め喰らう存在。
だが、好き好んで奪うのは悪人や愚かな者のみだった…
本当に…殺してしまっていいのか…
この者達を殺してしまって、我々は本当に「幸せ」なのか…?
様々な感情、見たことも思った事もない感情が溢れていく。
戸惑い、疑い、過ち…まるで人間のように迷う太古の魔物。
『愚か者共よ、俺の声が聞こえるか』
ナ「っ…!?」
突如ナーガやほかの2人の脳内に直接響いた、主となった偉大なお方の声。
『お前達は愚かだ。愚かで浅はかで愚鈍だ。何故人間のように悩む必要がある。お前達の主は一体誰だ。お前達は「幸せ」等という浅はかな言葉に何の意味があると思っているんだ。
本質を思い出せ。何者なのかを思い知れ。そして、誰に従っているのかを知れ。さもなければ、死ぬのはお前達の方だ。』
瞬間、彼らの決意は固まり、迷いは全てかっ切れた。
そうだった。
私達の意思は王の意思。
私達の意識は主の意識。
私達の思考は魔王様の思考。
迷う事は死を意味する。
漸く思い出したのは、恐怖の奥底にあるモノだった。
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