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使えるべき主様。
我ら魔族の長になられ、我らをまとめて導いてくれるお方…
何故、我らは恐れていたのか。
あんな愚かな事を。
「幸せ」等という薄いものを。
そうだ。
我らは死を司り、操り、管理する者。
死を恐れていては、それは最早魔族ではない。
ただの何者でも無いものになってしまう。
ーホンッ…
右手に新しい魂を浮かべる。
新たな決意……嫌、愚かな己を殺しその亡骸(感情)と共に力を込める。
では、我らが偉大なる魔王様へと捧げる供物を。
…そして愚かな我々の汚名弁解を。
ーフワッ…
魂を宙に浮かせて、それを勇者へと飛ばす。
最早何も見えない勇者の中へと、それ等は入っていった。
勇者 side
どうして、どうして、どうして、、、
イングラさんはとても優しいひとだった。
皆が魔族を殺していく中、1人だけ魔族にも悪いやつばかりじゃないとずっと教えてくれていた。
魔族なんていう迷惑な存在にまで情けをかけていて、それどころか底辺にいるって言う何だか汚いヒトタチにも何かと気をかけていた。
勿論1番優しいのは僕に対してだけど。
いつも気にかけてくれてて、サポートしてくれて優しかった。
1番の親友だったのに…
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