アイドルが主人公だけど アイドルっぽいことは書いてないお話

アイドルが出会う運命の人とは！？

“子猫の名前”

嫌がるママを無視して家に子猫を連れ帰った私は、子猫をお風呂に入れてやった。
子猫は全身真っ白で目が茶色。
名前を何にしようか考えながら、キャットフードを買いに私は近所のコンビニへと向かった。
帽子を目深にかぶり、マスクをして、地味なジャージを着て。
ママはついて来なかった。
その格好はアイドルとして失格だから撮影なんか出来ないと言って。
それに猫を拾ったのはあんたなんだから、あんたが責任を持って世話をしなさいと言って。
ママは失格と言うけれど、この格好のおかげで今まで誰にも気づかれたことがない。
だからコンビニに行く時は、いつもこの格好だ。

コンビニには、結構お客さんがいた。
お客さんの中には、春先で花粉避けのためかマスクをしている人が多かった。

私はペットフードが並んでいる棚に行き、子猫用のキャットフードを選んでレジに並ぶと、私の後ろにペットボトルのジュースとお菓子の袋を抱えた女性が並んだ。
女性が持つお菓子の袋には≪甘塩辛くておいしいホワチョチップス≫と書かれてあった。
どうやらポテトチップスにホワイトチョコをかけたお菓子らしい。
私は子猫の名前をホワチョにしようと思った。