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カラリと軽い引き戸が開く音がしたから顔を上げて入り口を見た。
「いらっしゃいませ」
お決まりの声をかけた。
珍しくも女性のようで、さらに珍しくどうやら若い方のようだ。
このような小さい個人店は慣れていないのだろうか、様子をうかがっているようにも見える。
「修理ですか?」
ここは修理店なのだから当たり前のことを言う。
「どうぞおかけください」
テーブルとイスを並べただけの簡素なカウンターの前に立ち、客用イスを勧めた。
女性はそっとイスをひき、落ち着かない様子で腰掛けた。
「どのようなお品物をお持ちになりましたか?」
女性は少しためらいながらも口を開いた。
「あの…修理というか、修理ではないかもしれないんですけど」
そういって持っていた手提げバックから取り出したのはビデオカメラだった。
「家電量販店ではお断りされたのですが、このビデオカメラの内蔵メモリーに何か映っているか確認したいのです」
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