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只野は布団に入り天井を眺めていた。
だんだん“まほろば“に近づく魂。
この現実からの逃避。
只野は急に恐ろしくなった。
全身に震えが伝播し、視界が曇る。
『もしも“まほろば“に行ってしまったら、こっちの現実はどうなるんだろう?』
隣でゲームをしている妻に視線を移す。
只野の視線に気がついたのか?
妻はスマホを置いて、只野にピッタリとくっついてきた。
「どうしたの?」
妻は只野を抱きしめて囁いた。
只野は何も言わず妻の胸に顔を埋めたのだった。
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