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田舎で独り、畑を耕す。
私の名前は大林雪。
子供たちは立派に成人して家族を作り、可愛い孫を見せてくれた。そして月日は流れ、ひ孫の顔も見る事が出来た。
もう、思い残す事は無い。足腰は痛み、老眼が進んで趣味の読書もしなくなった。度が合わなくなった老眼鏡は机の奥で眠っている。物忘れも酷く、小さな畑を耕すだけの日々を送っていた。
そんな私でも一つだけ楽しみがある。毎年、誕生日は子供たちが集まってくれるのだ。
今年は一人も欠ける事無く、夕方には全員揃っていた。
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