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それから3ヶ月ほどで、三上ライムのチャンネル登録数は5万に迫ろうとしていた。
それだけではない。三上ライムのブレイクにより、
類似するフォロワーが数多く出現した。
今まで主流だった過激な路線とは一線を画す、
素朴な日常の中に癒しを求められるような、
「日常系」と呼ばれるジャンルのユーチューバ―が台頭するようになったのだ。
それは皮肉にも、創が当初思い描いていた構想の通りだった。
自身のアイディアが台風の目となり、影響を与え、世の中を変えていく。
やはり自分は間違ってはいなかった。しかし実際は、誰も自分を見ていない。
こうしていつも、世界は自分に気付く事なく、自分を取り残して回り続けるのだ――。
長きに亘って積もった疎外感と孤独感は、
やがて爆発し、創の心を狂わせるには、十分な重みとなっていた。
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