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ナリアが心底心配しているのが分かり、ヒンニィは申し訳ない気持ちでいっぱいになり更に肩をすくめる。
「本当に、ごめんなさい。」
眉尻を下げて謝る姫に、怒っていたはずのナリアがふっと微笑んだ。
「しかし、大切なヒルフィ様の安否が気になるのは分かりますからね。次に行く時はアサド様なりアルストレイルなり信頼できる騎士殿と共にして下さいね。」
ナリアの言葉を聞いて、ヒンニィは少しふくれっ面になる。
「えー、2人とも忙しいから無理じゃない。」
ナリアが口にした2人のうちアサドは騎士団長、アルストレイルは副団長で実質捕まえる事が困難な多忙を極めている人物たちだった。
ナリアはタオルドライする手を止めて、ヒンニィの肩に手を置いて諭す様に話す。
「良いですか、あなた様はこのマリアゴルド国の王女なのですよ。その身に何かあったらどうするのです?もう少し自覚を持って行動なければならないのですよ。」
ナリアの言葉に、ヒンニィの背筋がピッと伸びる。
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