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ほんの少しの沈黙だったが、なぜか長く感じてしまう。
そんな空気を変えるように、青年がヒンニィから目を逸らさないままで語りかける。
「なんか、うぶな感じがかわいいね。」
不意にかわいいと言われて、少し落ち着いていたヒンニィの胸の鼓動は再び早くなり顔が真っ赤になる。
こんなにすぐ側にいる、むしろ抱きしめられているようなものなので、きっと体温が上がっている事に青年は気が付いているはずだ。
どうしたらいいのかヒンニィにはまったく解らず、ただただ恥ずかしさを隠すために青年から目線を逸らして俯くしかなかった。
そんなヒンニィの様子を見て、青年は口元だけではなく頬も少し緩めて優しげな表情を浮かべる。
「で、君みたいなかわいい子が、こんなところで何をしているの?」
急に質問をされ、ヒンニィは小さく驚いて俯いていた視線を上げる。
青年が先程よりも柔和な表情でじっとヒンニィを見つめていた。
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