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「出来る事なら、ヒンニィ様にはレイ様に嫁いで欲しくないですしね。」
シラストルの言葉を聞いて、顔を背けたい事実を思い出してヒンニィは重りを乗せられたかのように気持ちがどんどんと沈んでいく。
それに気が付いたヒルフィが穏やかな笑顔を向けてなだめようとする。
「大丈夫、心配しないで。ヒンニィに辛い思いはさせないから。まずはこの問題をさっさと解決しないとね。」
ヒルフィが笑顔で言うのに、ヒンニィもつられて笑顔を向ける。
「では、ヒンニィ様のお腹も空く頃ですからお城へ帰りましょうか。ヒルフィ様にはこちらを。」
そう言ってシラストルはマントの裾をガサゴソと漁って、淡いオレンジ色に光る小さな卵の様なものをいくつか渡した。
「これは魔力を持った卵ですので、私たちとの通信に使ったり、怪しい人物が居たら尾行させるのに使ったりしてみて下さい。」
そう伝え、シラストルはヒンニィと共にヒルフィを残して小屋を後にした。
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