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ハイウエストの位置にある大きめのリボンを結び直してやりながら、ナリアがヒンニィに声をかける。
「やはりこのピンクのドレスにして正解でしたわね。」
にっこりと微笑みながら、ヒンニィの様子を伺う。
「ちょっと子どもっぽ過ぎない?」
少し口を尖らせながらナリアを振り返る。
「そうですか?ヒンニィ様は肌の色が白いから淡いピンクが良くお似合いですわよ。」
ナリアがワンピースの裾を直した時、急にヒンニィのお腹がぎゅるるると大きな音を立てて鳴った。
ヒンニィは少しほほを赤くして恥ずかしそうに俯いた。
それに気が付いたナリアがヒンニィの肩をポンと叩いた。
「レイ様が来るまでまだ時間がありますから、一旦食堂に行って軽食でも食べましょうか。」
ナリアに促されてヒンニィは食堂へと向かった。
食堂で大好物のトマトと卵のサンドイッチを頬張る。
普段は3口くらいで平らげてしまう量を、ドレスを汚さないように慎重に少しずつ口に運ぶ。
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