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いつも通り大きな口を開けてサンドイッチをほおばったらもっと美味しいのに。
と、ヒンニィは思いつつも、トマトの酸味と卵の甘さを感じながらゆっくりと咀嚼する。
「本当、朝ごはんもたっぷり召し上がったのに、その華奢な体のどこにそんなに入るのですか?」
サンドイッチをほおばるヒンニィに紅茶を差し出しながらナリアが呆れたように呟く。
「んー、よくわかんないけど、すぐお腹空くんだよね。」
ヒンニィが飲みやすいぬるめに淹れられた紅茶をすすりながら、肩越しに立つナリアを見つめる。
「私なんか、食べたら食べた分だけお肉になるのに。」
ナリアはそう言いながら、侍女服の紺色のワンピース越しに自分のお腹と二の腕を交互につまむ。
「俺から言わせれば姫様と大して変わらんぞ。強いて言えば、お前は胸に肉がつき過ぎだ。」
突然ヒンニィ以外の声がしてナリアが驚いて食堂の入り口に顔を向けると、そこにはアルストレイルが立っていた。
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