ヒンニィとの再会

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「今、来賓室に案内されてるはずだから、そんなに急がなくても大丈夫だ。その皿のサンドイッチを平らげてから移動しよう。ナリア、俺にも紅茶を淹れてよ。」 アルストレイルが透き通る藍色の瞳を伏せながら優雅に近くの椅子に座った。 アルストレイルは背が高めで手足も長いが線が細く、瞳と同じ藍色のふわふわとした天然パーマが余り騎士らしくは見えなかった。 ナリアが淹れてくれた紅茶をすすりながらアルストレイルが再びサンドイッチを頬張り始めたヒンニィを見た。 「すまんな、姫様。まだヒルフィの消息が掴めなくて。あいつの事だからどこかで生きてるとは思うんだがな。今日も違う部隊が捜索に行ってるから、今日のこの公務も心配しないでこなして欲しい。」 アルストレイルの気遣いで、うっかりすると涙が出そうになるのをこらえてヒンニィはアルストレイルを見つめ返す。 「ありがとう、アルストレイル。そうよね、お兄様の事だから大丈夫よね。うん、今日のこの公務も頑張る!」 そう言うと残りのサンドイッチを一気に口に頬張った。
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