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口に運んだシュークリームを咀嚼し終えて、アルストレイルが答える。
「まぁ、姫様が会ったことないのは無理はないな。結局レイ様へ嫁ぐ予定だから、弟に会う必要はないってマリアテレザの判断なんだろうけど。俺も詳しくはわからないんだが、カイ様は昔大怪我を負って体が不自由になったからそれ以来外交とかの表舞台からは身を引いてるって話だ。今回はヒルフィの件もあって、駆り出されたのかもしれないな。」
言い終えたアルストレイルは、ゆっくりと紅茶を啜った。
「大怪我?全然普通っていうか、むしろ身体能力高いと思うよ。」
ヒンニィがアルストレイルに不思議そうに反論する。
「あら、ヒンニィ様はなぜカイ様が身体能力が高いとお思いなのです?まだ一度しかお会いしていないのに。」
今度はナリアが不思議そうにヒンニィに尋ねる。
ヒンニィはハッとなってアルストレイルからナリアへと視線を移す。
思わず昨日の事を思い出して口がすべってしまった。
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