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どうやって誤魔化そうかとヒンニィが頭の中をフル回転させようとしたその時、廊下を慌しい音を立ててやってくる足音が聞こえてきて、足音が部屋のドアの前で止まると勢いよくドアがノックされた。
「ヒンニィ様、アルストレイル、大変だ!邪するものがプラスティの森に出現したらしい!」
足音の主は大声でドアを開ける前に廊下から叫んで、部屋の中の2人へと報せを伝えた。
それを聞いたアルストレイルが急に真剣な表情になり、ヒンニィを振り返る。
ヒンニィも報せを聞いて椅子から立ち上がっていた。
「すまんが姫様、ヒルフィが居ない今、邪するもの退治に付き合ってもらって良いか?」
アルストレイルの言葉にヒンニィは力強く頷いた。
「うん。着替えたら合流するから、先に行って被害を食い止めておいて?」
アルストレイルが真剣な表情から少しだけ微笑んでヒンニィを見返した。
「その言葉、頼もしい限りだ。ナリア、姫様はきちんと守るから安心してくれ。じゃあ俺は先に現地へ向かう。」
そう言うとアルストレイルは足早に部屋を後にした。
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