163人が本棚に入れています
本棚に追加
綺麗に着飾ったドレスを脱ぎ、いつもの動きやすいショートパンツに履き替えて、編み上げブーツの紐をキュッと締める。
「ヒンニィ様、どうかご無事で。」
ナリアが一段と心配そうな表情で準備をしているヒンニィを見つめる。
そんなナリアにヒンニィは真っ直ぐな視線を向ける。
「大丈夫よ。ほら、アルストレイルも守ってくれるって言ってたし。今は私しか行ける人がいないんだもの。国を守るためにも行ってくるわ。」
ヒンニィの澄んだ瞳を見て、ナリアがいたたまれなくなりギュッとヒンニィを抱きしめた。
「痛いよナリア。じゃあ、行って来るわね。」
そう言うとヒンニィはナリアからそっと離れると部屋を後にした。
城内を出て獣舎にいるレオヤの元へと急ぐ。
獣舎へ行くとレオヤがヒンニィが近付いて来ているのに気が付いて、ぐるぐると喉を鳴らしてヒンニィを迎え入れる。
「レオヤ、今からプラスティの森へ行きたいの。」
最初のコメントを投稿しよう!