ヒンニィとの再会

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レオヤが返事をするように再びグルルッと鳴き、ヒンニィが背に乗りやすいように足を折ってかがみ込む。 「ありがと。少し遠いから頑張ってね。」 ヒンニィがレオヤの首を優しく撫でると、勢いよく背に飛び乗った。 200年前の戦争でマリアゴルドは緑豊かな土地を手したが、豊かな大地は多大な植物の恩恵を人間にもたらすと共に、それ以外の生き物たちにももたらしていた。 豊かな植物の生命力を得て、通常以上の成長を続ける異形のものたちが出現し、それらは人間世界と相入れる事はなかった。 特に長い年月をかけて生き抜いたその存在たちは、自身の中に魔力を秘める様になり、人間たちにとって脅威になっていった。 それらは「邪するもの」と呼ばれ、人間世界に害を及ぼす存在だったが、それらに対抗する力を授かる人間も生まれてきた。 それが、魔道を極めた魔道士長とその魔道士が作った剣を扱える騎士団長、そしてヒンニィたち一部の王族の人間だった。
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