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今マリアゴルド国でこの能力を持っているのは魔道士長のシラストル、騎士団長のアサド、そして国王と王子ヒルフィと王女ヒンニィの5人だけだった。
そのうちシラストルと国王はカイの対応をしなければならず、アサドは先に出現した邪するものを討伐しに出向かっており、今行けるのはヒンニィだけだった。
「お父様もお兄様もナリアもみんな女の子だから危険と隣り合わせの討伐には行くなっていうけど、私は国を守れるこの力を誇りに思うのよ。」
上空の強い風に煽られながらも、ヒンニィはレオヤに独り言のように呟く。
この能力は王族の人間全員が授かるわけではなく、同じきょうだいでも弟のヒルダにはこの能力はない。
だからこそ、ヒンニィは自分にこの能力がある事に意味があるのだと感じていた。
いくつかの街と森を超えて、目的地のプラスティの森の上空へとたどり着いた時には結構な時間が経っていた。
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