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長い年月をかけて成長を続けた針葉樹に広葉樹が深く生い茂っており、人の手が加わっていないのにも関わらず整然とした印象の森で先に来ている騎士団を探す。
ヒンニィの斜め前方で、ギギッと木が軋み倒れる音がしてそこに目線をやると、鋭い閃光が走ったのが見えた。
「レオヤ、あそこに降りてちょうだい!」
ヒンニィに指示されてレオヤが閃光が走った場所へと向かい、降りれそうな場所を探してゆっくりと降り立つ。
降り立ったヒンニィの視線の先には、目が真っ赤に光り、鋭い牙の生えた巨大な猪のような姿の異形のものが威嚇しながら唸り声をあげてた。
勢いを貯める様に、四つ足の前足で地面を蹴りながら、辺りに土埃と威圧風をあげる。
ヒンニィがその威圧風を避けようと両手を顔の前に出して覆おうとする前に、柔らかな光るベールがヒンニィを覆った。
ヒンニィが辺りを見回すと、すぐ近くに剣を手にしたアルストレイルの姿があった。
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