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「思いの外早い到着だったな。」
そう言うアルストレイルの剣を持つ手が微かに光り輝いている。
「守ってくれてありがと、アルストレイル。こんな立派な魔法も使えて、相変わらず騎士っぽくないね。」
ヒンニィが目配せするのに、アルストレイルは自身の藍色の天然パーマの髪の毛をくしゃくしゃと撫でる。
アルストレイルは騎士でありながらも父方の家系が魔道士を歴任しており、家系の影響で魔道にも長けていて、魔道を駆使しながら邪するものの討伐を行なっていた。
ヒンニィがアルストレイルが作った光の防御壁を指で触れると、キラキラと光の破片を振りまきながら消えていった。
「今回の邪するものはあのタイプね。」
ヒンニィがもう一度目の前の邪するものを観察するように睨みつける。
「そうだな。あのタイプは牙が弱いから、俺たちが牙を抑えてる間に封印の準備を頼む。」
すっかり騎士の様子になったアルストレイルが剣を持ち直す。
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