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そのひるんだ隙を見逃さず、ヒンニィはすかさず手のひらにある青白く光る透明な球状のかたまりを、邪するものへと突き出し、大声をあげる。
「邪するものよ、ここへ収まりたまへ!!」
すると球状のかたまりは一層眩い光を放ちながら、邪するものへと向かっていく。
すぐさま邪するものへと到着すると、眩い光は邪するもの全体を覆い尽くし、邪するものは苦しそうに断末魔の叫び声をあげながらどんどんと小さくなっていく。
邪するものが球状のかたまりに入る程の大きさになると、球状のかたまりは青白い光を放ったままスッと邪するものを包み込んだ。
そしてそのままヒンニィの元へと還っていく。
さっきまでの騒音が嘘のように辺りが静まり返る。
「相変わらず手際がいいな。」
ヒンニィの側へと待機していたアルストレイルが声をかける。
アルストレイルの声に、集中から解き放たれたヒンニィが我に帰った様子で振り返る。
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