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「は、い…。」
聞きたいことがあるから会いたいと思っていても、いざ本人を目の前にしてしまうとなぜか緊張して動きがぎこちなくなってしまう。
カイに言われた通りベンチに座ろうと少し後ずさりをした瞬間、ヒンニィは慣れないヒール靴の踵が引っかかってしまいベンチに倒れ込みそうになる。
「きゃっ!」
ヒンニィの悲鳴と同時にカイが身を乗り出して、ヒンニィの左腕をがっしりと掴んで自分の方へと抱き寄せた。
「!?」
ヒンニィが驚いているのもつかの間、カイに近づいた部分からバラの香りとはまた違ういい香りがして意識が持っていかれそうになるの前に、素早く体勢を戻されて危なくないようにベンチに座らされた。
「大丈夫?」
カイがヒンニィを掴んだ手を離さないまま、顔を覗き込んでヒンニィの隣に座り込む。
「はい、大丈夫です!」
ヒンニィは緊張やら恥ずかしいやらで頬を赤く染めながら答える。
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