撮影

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また惰性の一日が始まる。 意味もなく学校に行き、意味もなく授業を受け、意味のわからないクラスメイトの談笑に相槌をうち、仲のいいフリをする友人(仮)と帰路を共にする。 帰宅し影の姿を確認し公園へ連行する。 ひたすら遊具で遊んでみたりを、公園に来ていた近所の小学生と一緒にちょっかいをかけてみたり。 なにも意味のない、つまらない一日だ。 影は今日も私を撮っている。 そんなに楽しいのか?と思いつつも、ふと昨日の日誌の内容を思い出した。 ”9月18日(木) 晴れ 今日も学校は退屈だ。 隣の席の子はどうしてSNSとやらで自分を拡散しているのだろう。 あなたはクラスで浮いたりしていない。 容姿も普通。学力も普通。なのにどうして? 有名にでもなりたいのだろうか? 学校が終わるといつものルーティンの開始だ。 ビデオカメラにはいつもどおりの映像が映る。 ここ3日はほぼほぼ一緒だ。 ブランコ→滑り台→ブランコ→子供とじゃれあう→帰宅。 たのしいのならべつにいいか。” そんな文章だった。 なんだかんだ、私を撮っている影も楽しんでいるみたいだ。 近所の小学生にそんな話をしてみた。 「じゃあ今撮っているあのおねーちゃんもきっと笑っているんだね。」 小学生はこんな返答を返してきた。 ふと影を見ていると口元が緩んでいる。 なぜこうも私たちは似ているのだろう。 つまらないといいながらも、なんだかんだ楽しんでいる。 容姿も性格もそっくりだ。 私は今、影と同じ笑顔でいる。
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