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神様だもの。
辛いことがあった。
どうしても耐えきれなかった。
「お前なんて要らない」
ボクが何かしましたか?
「とんだ愚図だ。さっさと死んでしまえば良いのに。」
ボクが生きていることはそんなにいけませんか?
「お前なんて、もう友達じゃない!!」
あぁ、心が壊れるおとがする。
唯一の支えだったあの人も、彼の味方になってしまった。
「私がいるから。私が君の支えになるから。君には生きてて欲しいんだ。君のことが…」
そんなあの人の優しい言葉も、表情も、声も、今となっては過去の思い出。ボクをこの世に縛り付ける、愛しい思い出。
「君のこと、信じられなくなったよ。」
ふふ、あなたには言われたくなかったのにな。
期待なんてしなければよかった。信じれば信じるほど、裏切られたときに辛くなる。
神様、どうかボクを助けて。
「…私の愛し子。こんなに可愛いお前を、傷付けたのは誰だい?」
誰かの声、刹那、全身に感じる温もり。
「すべて、お前の望むとおりにしてあげるからね。」
ボクの壊れた心を癒す、初めてなのにどこか懐かしい声。
「お前は私の愛し子だよ。私以外がお前を傷付けてはならないし、愛してもいけない。大切な、ただ一人の愛し子。」
ボクはもう、誰も信じられない。信じたくない。
でも、この人なら、信じられるかもしれない。
ボクの本能が、この人を求めてる。
ボクの本能は今まで従って良かったなんて試し、一度もないけど、この人は信じてみたい。
だってあなたは、
「だって私は」
『神様だもの。』
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