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だけど それは …
《 俺は こういうモンだから やっぱ 『いつもそばに いる』なんて 言えないわ。悪いな 三日月。》
目を 閉じれば 何処からともなく 声が 聞こえる。一瞬 甘い声なのに 優しい響きなのに 本当は 冷たくて 遠い。あの夢の 声。顔は 見えなかったし 姿さえ はっきりしない ーーそれが 人 なのかも 解らない。
解っているのは 寂しくて 切なくて どうしようもない 気持ちだけ。それと 目に焼き付けられてた 風景。
炎の海ーー
燃え続けている 城みたいな建物に 時代劇みたいな服の人達が 死んでいて ーーそこで、焼き折れている 刀 が 一本。
「ーんだよ この 気持ち」
僕は その場所には 居なかった。助けるにも 手が 出せない。そもそも 何の夢なのかも 解らない。そう。夢は 夢で 僕が 悩まされる必要など ありゃしない。なのに …
「あっ!いたぁ~ みっか こんなとこで 休んでないで 早く こち来い!焼きそば 美味しいよ」
結子に 見つかっちゃった。あいつ 僕を しばらく休憩させたとでも 思ってるのかな。実際 休みーなんとか 言ってるし。嫌そうな顔して 僕は 結子のいる 道端まで 走った。
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