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初めて彼を見た時の第一印象は、一目置かれる存在の脇にいる、つまり付録みたいな存在だと感じていた。
まるで私みたいな存在で、妙に親近感を抱いたことを今でも覚えている。
様々な年齢の人間が集う駅のホームで、その優れた容姿でひときわ目立っていた人のそばにいるバカっぽい人。
ついでにちょっと好みの顔立ちをしていたから、この二人は高校生になったばかりの私にはとても興味深い存在だった。
彼女は覚えていないだろうけれど、一度、親友の凛子にも「あの二人、かっこいいね」と問いかけたことがあって、その時の凛子は「うん。でも近寄りがたい感じで苦手だわ」と一蹴したこともあった。
彼女はその片方の彼と今では誰もが羨む夫婦となっているのだから、人生どこでどうなるのかわからないなと、ある意味私の中で笑い話の一つになっている。
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