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俺の反応に薄く笑い、満足気に煙草を灰皿に押し付け、もう一本取り出す。
「おい、ちょっとペース早過ぎね？ また昔のような吸い方に戻ってんぞ」
「家ではもう吸えないからな。吸える時に吸っておく」
「マジか。とうとう禁煙宣言した？ いや、させられたのか？」
あのヘビースモーカーの高柳に禁煙させるなんて、よっぽどの事情があるか凛子ちゃんが怖いからだろう。
俺はからかい半分でニヤついて高柳の顔を見つめていると、当の本人は言葉では言い表せないくらいの幸福感を纏った顔つきをする。
そして、紫煙をくゆらせながらポツリと呟いた。
「違う。凛子が妊娠した。だから、家では吸わんと俺が決めたんだ」
淡々と語ったコイツの告白に、俺は一旦動きを全停止させた。
そして立ち上がるくらいの勢いで高柳に詰め寄る。
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