11037人が本棚に入れています
本棚に追加
それなのに……
そんな時に限って、現実に現れる理想通りのハイスペックな男。
しかも私にどうやら好意があるらしい。
「ねーねー、美子ちゃん。これからどうする? どうせ高柳と凛子ちゃんはこれから二人でイチャコラしちゃうだろうし、俺達も二人よろしくやっちゃおっかー」
「俺、いいお店ならいっぱい知ってるよ?」と、その男は後ろで残念な言葉をはき続ける。
つくづく思う。
黙ってればいいのに……
そしてあと二段階くらいテンションを落として、その顔とスタイルを活かせば、もっと見栄えもするのに……と残念でならない。
私の後ろを歩いて誘う言葉を止めない男の名前は一条 翼。
私が勤める南代行輸入会社と古くから付き合いのある一条グループの人間の一人で、成り上がりというものではなく、正真正銘の御曹司だ。
最初のコメントを投稿しよう!