後悔 regret

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『社長!』  俺は、咄嗟に零君を守るように黒鳥の前に出る。  けど、その前に追い払う様に… 『…disappinted  裏切られた』  零くんは、最初「blackBart」を普通の捜し物探偵事務所と思って電話を掛けてきた。  なので、電話に出た黒鳥恭輔を警戒しながらも、零くんの事を知りたいと言った恭輔の言葉を純粋に信用に、自分の生い立ちを話した。  けれど、自分の事を迎いにきた、一ノ瀬と月見坂の姿を見た瞬間、すぐさま「blackBart」が、普通でないと瞬時に判断し、零君の中にいるもう一つの人格が顔を出した。  そう彼は、2重人格者だった。  野口は、零の姿が、ゼロに変わっているのに気が付く。  それは、黒鳥も同じだった。 『…あなた方は……約束も守れないんですか?」 『!』  ゼロを押さえつけようとする野口を尻目に、ゼロは、黒鳥に近付き、彼の手から蜩朧が写る写真を奪い取ると、その場で破り捨てた。 『…なぁ? 黒鳥さんよ? 俺は、零の居場所を奪うつもりはない。だからこそあんたらの手を組んだ。この餓鬼が欲しいなら悩む必要なんてないだろう?』  そう黒鳥に告げると二人の前を何事もなかったかのように通り抜けていった。  『…確かに、彼の言う通りだ。野口! 俺は、彼、蜩朧を手に入れる』 『…』  野口は、心の中で手を合わせた。 (ごめん。俺じゃあ…君を救えない)
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