encounter 出会い 

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encounter 出会い 

『……瑞穂。お前の無念は、俺が晴らして見せる』  僕は、復讐の為に全ての人間関係を切り、家族も捨て、仕事も辞めた。  そして、半年に及ぶ調査で、僕はある場所にたどり着いた。  そこで、僕は、まさかの人物と再会した。  ☆ ☆ ☆ 「…お兄さん」 「!」  半年掛けて、五条龍也が現在住んでいる場所を調べ上げ、復讐する為に彼のマンションまでやってきた。  すると、突然見ず知らずの髪の長い女の子が自分に声を掛けてきた。  最初は、マンションの住人かと思い、背筋に冷たい汗が流れた。  しかし、自分に声を掛けて女の子は、左手に小さなガイドブックを持っていた。 (…なんだ観光客か? 道にでも迷ったのかな?)  その姿に安心していると声を掛けてきた女の子が、突然自分に向けていた視線をマンションに向けた。 「…お兄さん? このマンションに誰か知り合いでも居るんですか?」  _ガシ_   次の瞬間、朧は、自分でも解らない内に目の前の女の子の腕を力強く掴んでいた。 「なにするんですか! 離してください! 警察に通報しますよ?」 「ぁぁぁぁすみません」  朧は、正気に返り、女性の手は離す。 「全くひどい方ですね? いきなり女性の腕を掴むなんて。でも、よかったですね? 周りに人が居なくて。通行人が居たら蜩さん? 貴方、警察に逮捕されてましたよ? ふふふっふふ」    手を離して貰えた彼女は、痛がる素振りを見せずこちらに文句を言ってきた。  だけど、どんな理由であれ彼女の言っている事は正しい。  もしここに、他の通行人が通り掛かったら、朧は、確実に少女乱暴の現行犯で逮捕されていた。  けれど、いまはそんなことより・…… 「君は、どうして、僕の事を知っているんだ!」 「さぁ! なんでしょ?」  理由を誤魔化すように、朧の顔に自分の顔を近づける。  そして、不気味に笑い掛ける。 「…本当に知りたいですか?? 知らない方が貴方の為だと思いますよ?」  _ガシ_  朧は、いつの間にか今度は、彼女の胸ぐらを掴んでいた。 「……殺すぞ!」 「……いまの貴方に人殺しなんてできる訳ない。だって、本当に殺すつもりなら殺すぞなんて言わないし、手も震えませんよ?」  そういうと、彼女は、逆に朧の腕を掴み、そのまま彼の体を地面に叩きつけた。  そして、素早く、朧の首にどこから出したのかサバイバルナイフを押し付けた。  「……じゃあ、これは正当防衛でいいんですよね? 蜩さん?」 「!」  _チク_  起き上がった瞬間、自分の首をなにかが掠った。 (痛い!)  恐る恐る頬を触ると、触った手が赤く染まる。 「……ちちちちちち血!」 「……怖い? だったらいまのお兄さんに人殺しは無理だよ」 「!?」  
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