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ただし長距離移動と一口に言っても色々あって、スポーツ観戦やライブ鑑賞が趣味な人の財布に収まったときは、日本の端から端まで飛行機でひとッ飛びはするんだけど、スポーツ観戦やライブ鑑賞の用事が終われば、そのままトンボ返りでまた飛行機でひとッ飛び、という人にもよくでくわす。
そうすると、一日で東京と北海道をただ往復する、みたいなこともザラにあるのだ。
そして北海道で支払いに使われることがなければ、財布からは一度も出てないことになるので、何もせずにまた元の場所に戻って来るのだ。
移動距離は多いのに、これでは本当に日本全国旅してると言えるのか?と首を傾げたくなることもよくある。
このように、僕らは移動するときは一気に移動するし、人から人へのリレー回数は多いのに、移動は近所で細かく動いているだけの場合もあって、状況は千差万別なのだ。
こうやって、僕が誕生してから数年が経って、既に日本全国色々な場所に旅をしたし、何人もの人間の元を渡り歩いてもいた。
最初のうちは、スーパー以外でも、あらゆるところで消費税を細かく取っていたので、僕の移動距離も経験人数も日々うなぎのぼりだったが、その転機となったのが一九九七年。この年の消費税が五%に引き上げられた時だろうか?
五%は一〇%の半分とキリが良かったので、僕ら一円玉が活躍する機会がガクんと減った。
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