吾輩は￥である

　農協から帰宅したおじさんは、最近壊れた家のテレビを買い換える為に、纏まった一万円札を持って家族みんなで近所の電気屋さんへ行き、そこで最新型のブラウン管テレビを選んで購入した。

　このとき消費税の支払いで僕も使われ、電気屋さんのレジに収まった。

　そしてその日のうちに、電子レンジを買いに来た主婦の女性へのお釣りとして、主婦の財布へと移された。

　主婦は同い年くらいの旦那さんに重い荷物となった電子レンジを運んでもらって、乗って来た自家用車に積み込んで自宅へと帰った。

　旦那さんはサラリーマンで、営業の仕事をしているらしく、明日は営業で遠出をしないといけないと言う会話をしていた。

　北関東の地方都市に住む顧客の所まで行くということで、出先で昼食などの食事をするのに必要と、奥さんはいつもより多めのお小遣いを渡していた。

　この時、消費税導入でかさばるようになった小銭を使って欲しいからと、僕を含む小銭も適当に渡していた。