だって、あの店は

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普通に寝て、目が覚めて、学校に行く。 いつもと変わらない日常だ。この流れを、俺は毎日たった一人で行う。 そして本当に店に行ってみた。 学校の近くの住宅街に小ぢんまりと佇んでいる、外にはいつもチョークで綺麗に描かれた看板が立て掛けられている、それがその店の特徴だ。 姉さんが、母さんが帰って来るのが遅くてグズっていた俺を慰める為に連れて来てくれたっけな。 しかし、そんなお店はどこにも見当たらなかった。 学校も近いので、知っているヤツや先生も度々訪れていたお店が、そこにはなかった。 迷ったのか?嫌、そんなハズはない。 困っていると、突然霧が辺りを覆い始めた。 腕で視界を遮る。目をつむって開くと、目の前にはさっきと風貌がよく似たお店が建っていた。
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