第1章・目が覚めたらMMORPG

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この森は別名「呪いの森」と呼ばれていてグリモワールを選んだプレイヤーが共同生活をしている。 初期に開始するのも此処だし、いろいろグリモワール専用の店が充実していたりや自分の家を持つ事も出来る。 ちなみにグリモワール以外のプレイヤーが入ると様々な呪いに掛かり大変だから行く人はまずいない。 画面しか見た事なかったが、実際に見るとなんか怖いな…師匠に着いて来なかったら一人で行きたくない。 何人か動いている影がある、あれはプレイヤーか?いつも頭の上に名前が書いてあったから、現実では当然ないから誰だか分からない。 不規則に並ぶ数多の家の中で俺の家に到着してドアを開けた。 家のドアにネームプレートが書かれているから、すぐに分かった。 ちょっといろいろと作ったもので中は少し汚かった。 足場も少なくて、とりあえず歩ける場所を確保しようと床に散らばった紙を集める。 その紙は、いろんなアイテムのレシピのようだった。 普段はメニュー画面に作ったものが収まってるから現実だとこんな感じになるのかとちょっと感動した。 「此処に今日のクエストを書いたから全てこなしたらワシのところに報告に来い、後…部屋は綺麗にしとくのじゃよ」 師匠はチラッと開いたドアから中を見てため息を吐き、自分の家に帰ってしまった。 師匠の家は森の一番奥の二階建てのいい家だ。 俺も二階建てが良かったが、そんな機能はないから我慢している。 師匠から渡されたメニュー画面に忠実に再現されたクエストの紙を見つめる。 呪いグッズ製作と使い魔トレーニングと木ノ実を採取か。 早く終わらせてレイチェルちゃんのところに行くぞ! まずは呪いグッズ製作か、何でもいいなら材料が少ないワラ人形でも作るかな? 初期で覚えるレシピだから攻撃力が低すぎて、正直かさばるだけだが他のレシピは材料調達しに行かないとないから仕方なくワラ人形を作る。 棚から藁やら紐やらを取り出して、レシピを見る。 簡単に作れるから鼻歌混じりで製作していく。 ゲームのようにワンタッチで作れないのがちょっと面倒くさい。 そんな俺にゆっくりと忍び寄る影が手を伸ばしていた。
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