第1章・目が覚めたらMMORPG

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俺の部屋はちょっと散らかっていてゲーム機や漫画本なんかが床に適当に置いている。 それに比べこの部屋は綺麗に片付いている…あまり生活感がなさそうな部屋だが… それに俺はつい最近この部屋を見た事があるような… 「…ツカサ、彼氏を叩くとは随分お転婆だな…そういうプレイか?」 「誰が彼氏だ!そういうプレイとか知らないし!…ってか、は?…お前、ゼロか?」 パニックを起こして気付かなかった…そうだ、漆黒の影騎士のゼロだ。 なんで?なんで俺、起きたのに夢から覚めないの!? 頬をギュッと抓ると痛い…この痛みは本物!? 今までの感覚は寝相のせいだから夢だと思っていたのに、もし違ったら… これがかの有名な異世界トリップというやつか! 意外と受け入れていた…ちょっとこういうのに憧れてたし… いつか来た時みたいにひょっこり帰れるかもしれないし… とりあえずレイチェルちゃんに会いに行こうとドアに近付くと、木製のドアがだんだん黒くなりあの手の影になった。 「あの手はお前のだったのかよ、ビビって損した」 「…まだ終わってない、何処にいくつもりだ?」 「は?終わってないってなにが…」 ゼロは視線を下げて何故か俺の足をジッと見る。 俺は短パンに裸足だった…あれ?ブーツ履いてた筈なんだが… 寝ながら脱いだ?俺、そんなに寝相悪かったのか? そういえばさっき舐められてる気がしたな、タロウはいなかったけど… ………そう、この部屋にはコイツしかいなかったんだ。 いや、まさか…と思いながら疑いの眼差しを向ける。 「まだ太ももを舐めてない、愛でさせろ」 「いやぁぁぁっっ!!!助けてぇ!!誰かぁっ!!」 身の危険を感じて必死にドアを叩きまくるが影がガードしていて全く外に響かない。 なんつー厄介なものを…とぐぎぎと歯を噛み締める。
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