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俺の部屋はちょっと散らかっていてゲーム機や漫画本なんかが床に適当に置いている。
それに比べこの部屋は綺麗に片付いている…あまり生活感がなさそうな部屋だが…
それに俺はつい最近この部屋を見た事があるような…
「…ツカサ、彼氏を叩くとは随分お転婆だな…そういうプレイか?」
「誰が彼氏だ!そういうプレイとか知らないし!…ってか、は?…お前、ゼロか?」
パニックを起こして気付かなかった…そうだ、漆黒の影騎士のゼロだ。
なんで?なんで俺、起きたのに夢から覚めないの!?
頬をギュッと抓ると痛い…この痛みは本物!?
今までの感覚は寝相のせいだから夢だと思っていたのに、もし違ったら…
これがかの有名な異世界トリップというやつか!
意外と受け入れていた…ちょっとこういうのに憧れてたし…
いつか来た時みたいにひょっこり帰れるかもしれないし…
とりあえずレイチェルちゃんに会いに行こうとドアに近付くと、木製のドアがだんだん黒くなりあの手の影になった。
「あの手はお前のだったのかよ、ビビって損した」
「…まだ終わってない、何処にいくつもりだ?」
「は?終わってないってなにが…」
ゼロは視線を下げて何故か俺の足をジッと見る。
俺は短パンに裸足だった…あれ?ブーツ履いてた筈なんだが…
寝ながら脱いだ?俺、そんなに寝相悪かったのか?
そういえばさっき舐められてる気がしたな、タロウはいなかったけど…
………そう、この部屋にはコイツしかいなかったんだ。
いや、まさか…と思いながら疑いの眼差しを向ける。
「まだ太ももを舐めてない、愛でさせろ」
「いやぁぁぁっっ!!!助けてぇ!!誰かぁっ!!」
身の危険を感じて必死にドアを叩きまくるが影がガードしていて全く外に響かない。
なんつー厄介なものを…とぐぎぎと歯を噛み締める。
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