第1章・目が覚めたらMMORPG

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これは自分が所属している「難攻不落のNPCと結婚したいギルド」の奴らに自慢できる! このギルドの連中はあまり戦闘はせず恋愛ゲームとして楽しみ、キャラクターの話題で盛り上がっていた。 何人か冬限定レア率アップのガチャを回したみたいで変なのしか出なくて騒いでいた。 ふっふっふ、俺はまだマフラーの事を話していないからこれをスクショして自慢しよう! マフラーだから「一緒に入ろ?」とか何とか言われたらどうしようと鼻の下を伸ばしていた。 「ありがとう、でもゼロが欲しがっていたわ」 その言葉を聞いて、思わずスマホを落としそうになった。 口を開けて呆然と会話終了したいつもの居酒屋を見つめる。 確かにいつもと会話の内容が違う…悪い意味でな! ゼロといえばレイチェルちゃん以上の難攻不落の騎士だ。 しかしこのシャドウナイトというタイトルは影を操る特殊能力があるゼロから付けたと公式発表されてるほど人気のキャラクターだ…女子に… 一応ゼロも結婚出来るが、やはり頑張っても結婚まで行くのは無理らしい。 我がギルドにもゼロに心酔していて何としてでも結婚したいという女の子がいるが、まずゼロはUR以下のプレゼントは全て受け取らないしURのプレゼントでも5個あげて1%になるかならないかという、もはや公式がプレイヤーを虐めてるような感じになっている。 一時苦情が殺到したが、公式も原因が分からないみたいで首を傾げていた。 いやそんなバカな、好感度設定は公式がしてる筈なのに… もしかしてレイチェルちゃんはゼロとデキてるのか!? だからこんなにアピールしてるのに落ちないのか!? そんなプレイヤー殺しの設定があるか!?!? マフラーは返されてしまい落ち込む、俺…浮気プレイはしないし…レイチェルちゃん一筋なのに… なんかそう思うとゼロが腹立たしくなっていった。 確かゼロは王立騎士団に所属しているから城の中にいる筈だ。 俺は男プレイヤーだから男のNPCとは当然結婚出来ないしプレゼントも送れない。 しかしゼロは騎士だから話しかければ稽古をつけてくれる。 新人プレイヤーでもやりこみプレイヤーでも容赦なくえげつない攻撃を仕掛けてきて誰も勝てない。
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