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※ゼロ視点
影に目をつけてツカサを観察していた。
今まで戦闘以外に役に立たないと思ったが、いい仕事をする。
ツカサの影に同化して、常に俺はツカサの傍にいる。
俺の目線がツカサのローブの中で目に優しい。
短パンから覗く生足からチラッと見えるものは神秘の領域。
…あ、鼻血が…
「おい!ゼロ!俺達と勝負しろ!」
ドンドンうるさいが、無視する。
今はそんなものに構っている暇はない。
日陰に行くと影が切れてしまうな…改良するべきか。
本当は影ではなく俺本人が行きたいがいろいろ不自由な身だから困る。
王都で一番力を持っているからと、国王にしつこく縋られて面倒だから騎士団長を引き受けた。
ただそれだけだ、王都がどうなろうと知った事ではない。
でも、ツカサはよく王都に来る…王都が危険な目に合ったらツカサも危なくなる。
だからツカサのために俺はこの王都を守る…ツカサのために…
俺が傍にいられない時、影が居ればツカサを四六時中見ていられるし決して離れない、最高だ。
でもツカサ以外の声が聞こえる、ノイズが混じって煩わしい。
この声には聞き覚えがある。
ツカサがアルベールと会話をしてるようだ…俺のツカサと…俺の…
さっきまでツカサと一緒で幸せだったのに、ふつふつと怒りが湧く。
アイツ、恋人だと言って遠回しに近付くなと言ったのに分かっていなかったのか。
何をしているのか分からない、もう少しで見えそうなのにもどかしい。
「怖気付いたのか!!」
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