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あー、うるさい…
バンッと思いっきりドアを開くとさっきまでドアを叩いていた奴が吹き飛んだ。
残りの二人は目でソイツを追っていた。
そんな事はどうでもいい、俺とツカサの時間を邪魔する奴は誰だろうと許さない。
腕組みをして目の前の奴らを睨みつける。
それだけで訪問者共は震え上がっていた。
「何の用だ、今の俺は機嫌が悪いんだ」
「ど、どうする?」
「大丈夫だ、俺達にはアレがある!」
なんか二人して小声で話していて、用がないならツカサを観察し直そうと戻ろうとした。
ドアを掴まれ止められて、さらにイラッとした。
俺とツカサの時間を邪魔するつもりか?
二人はなんか引きつった笑みで俺に稽古を頼んできた。
なんで俺がコイツらにわざわざ稽古をつけなければいけないんだ?
今までもそういう奴はいたが、適当に相手をしてあしらっていた。
しつこくされるのが鬱陶しいし、相手をすると二度とやって来ないからやっていただけだ。
城の中に脳筋な騎士がいるからソイツに頼めばいいのにな。
いつもならそう思っていた。
…八つ当たりにはいい道具だとニヤッと凶悪な笑みを浮かべた。
俺とツカサの仲を引き裂いた代償を払ってもらう。
少しの間、影がツカサから離れるがすぐにまた繋げるから大丈夫。
普段は闘技場に使われる地下の広場にやってきた。
ここならどんな力を使っても外に音が漏れる心配はない。
男達はそれぞれが得意とする武器を構えていた。
剣士と弓使いか…まぁ、何でもいいが。
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