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「10秒で終わらせてやる」
今まで耐えれた奴で長かったのはそれくらいだから充分だろうと思った。
…本当は1秒もツカサと離れたくないけど…
俺が他人に使う時間はそれが限度だ、延長はしない。
一分でもツカサを見ていないと、心配で心配で胸が焼けてしまいそうだ。
その間にアルベールとなんかあったらと思うと自然と拳を握る。
加減が出来なくて、目の前の奴らを殺してしまいそうだ。
完全に上の空の俺に男達は怒りを露わにしていた。
コイツらがどんだけ強いのかなんて興味ない、俺を一度でも負かしたら見直してやる。
……まぁ見た目からしてダサい装備だし、弱そうだから無理だろうけど…
「ふんっ!10秒でお前を倒してやる!これがあればな!」
そう言い男が手にしたのは紫色の紋様が描かれた短剣だった。
…この紋様、グリモワールの呪いが掛かってるな。
じゃああの吹き飛んだ奴はグリモワールか、へぇー…
興味なさすぎて気の抜けた感想しか出てこない。
グリモワールは呪い系の技が効かない…俺も元グリモワールだしその体質は受け継いでるから呪いは効かないんだけどな。
言う義理はないから黙って見ていた。
「何だか知らないが、さっさと来いよ」
「後悔すんなよゼロ!!」
時間が惜しいと思い言うと早速襲いかかってきた。
俺の影はツカサから戻ってきて今影がある状態になった。
ツカサのところにいる間は俺の影はない…あぁ…ツカサが心配だ。
俺から影がなくなっても、不自由はないからずっとツカサの傍にいたかった。
それを俺を倒すとかくだらない事のために…
てっきり馬鹿みたいに真正面から来ると思ったら剣士は俺の影に剣を突き立てていた。
影の動きが止まった。
それを見てケラケラ笑っている。
「……」
「どうだ!激レアの影踏みの短剣の力は!」
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