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家の前には鬼の形相の師匠がいた。
俺は木に隠れてガクブルと震えていた。
どうしよう、どうしよう…魚肉バター炒めを師匠に差し入れたら許してくれるかな?と思ってたら家に台所があるがレシピを覚えていないから料理が作れねぇ!!
頼みたくないが、仕方ないとしゃがむ。
「なぁ…どうしたらいい?」
俺の影に引っ付いているゼロの影を見た。
ゼロの影は考えるまでもなく手の形になり文字を書いていた。
…影って物に触れるんだな…なんか食ってたし、普通の常識じゃないんだろうな。
文字はー俺の部屋、安全ーと書かれていた。
一番危険じゃねーか!と地面の文字を擦って消す。
さらに影は文字を書く。
ー何もしない、よ?ー
「そこで疑問形だと怪しいだろうが!」
つい大声で叫び、ハッと我に返る。
皆ジッとこちらを見ていた。
…ヤバい目立ってしまった。
今さらだが口を両手で覆う。
ゼロの影は知らんぷりの顔でムカついた。
お前も同罪だぞと目で訴える。
「ツカサ、何をしておる…早くこちらに来なさい」
後ろから鬼…師匠が声を掛けてくる。
これはお説教待ったなしだ。
…究極の選択だ。
師匠の雷を耐えるか、ゼロのセクハラに耐えるか。
考えるまでもないか。
俺は振り返った。
「ごめんなさい!師匠!」
貞操だけは守りたい、たとえ師匠の死神に狩られようとも!!
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