第1章・目が覚めたらMMORPG

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結局昨日の夜はあのまま一睡も出来なかった。 まだ鏡を見てないが、酷い顔だろう。 なんつー悪夢を見るんだ…俺は… そして起きた俺の目の前に悪夢の原因のようなものが見えた。 何やら影が変な動きをしている…いや、いつも変だが… ゼロの影は俺の影にキスしてる…まぁそれは、寝不足だからツッコミする気にもならない。 しかし問題はその次起きた。 なんと、俺の影もゼロにキスを…おぉ… 「なんでイチャついてんだお前らは!!」 昨晩なにがあったのか知らないが、大変な事になっていた。 俺の影なのに俺の意思がないみたいだ。 …まさかゼロが動かしてるんじゃないだろうな… しかし自分の影にゼロの影が引っ付いている状態で動かせるのか疑問だ。 とりあえず離れさせようと床に這いつくばり床をカリカリ引っ掻くが影は物に触れるのに俺は触れない事にイライラ… くそっ!もぞもぞと変な動きするな! 「…ツカサ、なんか思い悩んでるなら聞くぞ?」 部屋に入ってきた師匠は見てはいけないものを見たような顔をしてこちらを見ていた。 そりゃあ寝不足で死にそうな顔をして床を掻いてたら怖いだろうな。 今日はクエストを休ませてもらい、とりあえず元通りになるために寝た。 幸い夢を見る暇もなく熟睡した。 そして元気になり、魔法陣に乗り城を目指す。 会いたくないが影を元に戻すよう訴えるためだ。 城に到着してゼロの部屋を目指す。 その間ずっと影達が抱き合っている、やめろ…マジでやめろ… 「おっ、ゼロの恋人じゃん」 「違いま…!!!???」 聞き覚えがある声がしていつものように否定して声がした後ろを振り返る。 そして目を見開き驚いた。 …そこには人懐っこい男…らしき人物がいた。 何故分からないのかというと、全身包帯だらけのミイラ男になっていたからだ。 …そういうファッション? すれ違う人が必ず二度見するほど奇抜なファッションだ。 「いやいや、これは好きでこうなったんじゃないよ?」 「エスパー!?」 「…君、心の声が顔に出るタイプだよね」 なんだ…と…だから前の世界の高校の友人達に「#司__つかさ__#って隠し事出来ないタイプだよな」と言われるのか!? 顔をこねてポーカーフェイスになろうとしていたらミイラ男は頭を掻いた。 …その包帯、蒸れそうだな。 というかなんでそうなったんだ? ゼロみたいに誰かに戦いに挑まれてぼろ負けした、とか? なんか、あり得そうだな… 「昨日君と別れて帰ってきたらゼロに稽古に誘われてさ、珍しいなって着いて行ったらボコボコにされた」 はっはっはー!!と笑う内容じゃないぞミイラ男よ。 今日はこれから任務らしく笑いながら何処かに行ってしまった。 任務か、ゼロはいるか聞いとけば良かったな。
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