168人が本棚に入れています
本棚に追加
「…仲がいいね」
「お前がやったんだろ!影が操れるなら俺の影も操れるんじゃないのか!?」
「まぁ操れるけど、ツカサの影は操ってない…そもそも俺の影をくっ付けてるから操れない、俺の影は俺の意思だけど」
「…え?そうなの?」
「ただ、一日中くっ付いていたからツカサの影にも意思が芽生えたんじゃないのか?」
なっ、なんだってぇー!?
じゃあ俺の影は自分からゼロの影とイチャついてるの!?
また床をカリカリ引っ掻き離そうとするが、当然離れないしなんか妙な動きを始めた。
やめろ!なんかやめろ!
もしや俺の影は既にゼロの影に侵食されたのか…?
涙目になりながらゼロを見る。
「ぐすっ、戻してくれぇー!!お願いだぁー!!」
「…ツカサ、戻す方法なら一つある」
「本当か!?」
俺はもう何でもすがりたい気分だった。
…目の前にいる男がゼロだと一瞬忘れるほどに…
ゼロは俺の肩に手を置いてキラキラモーションで微笑んだ。
なんか生で見るの初めてだ、というか生でキラキラモーションがあるんだなと変な感心をしてしまった。
今俺を救えるのはゼロ、お前だけなんだ!
……お前のせいだけどな。
「影のように素直になって嫁に来れば気にならなくなる」
「分かった、素直になるよ!…全力でお断りします」
最後は真顔で言うと、ゼロも真顔になる。
お互い真顔になり変な空気が流れたところでゼロは部屋を出た。
ちなみにこのやりとりはずっとゼロが扉を開けた状態でやっていた。
…普通に部屋に入るわけないんで、当然だな。
というか影から助かるために人生捧げろとか可笑しいだろ。
俺自身を犠牲にする事以外なら聞いてやる、それ以外は却下だ。
最初のコメントを投稿しよう!