プロローグ

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プロローグ

「おねしゃーーーーーーす!!!」 炎天下のグラウンド、100人近い部員が一斉に頭を下げた。 部員達はすぐに、頭を上げると様々な方向に走りだし、グランドに残ったのは3分の1程まで減った。 南総高校は千葉県の南に位置する高校であり、スポーツに力をいれている高校だ。 その中でもサッカー部は全国の強豪チームと対等に戦える力がある。 100名近い部員はA、B、Cチームに分かれており実力がある選手は上のチームに上がれるようになっている。 Aチームは人口芝のグラウンド、Bチームはグラウンド半分程の通称ミニグラで練習を行う。 Cチームは? 車がポツリポツリと止まる駐車場にボールを持っている青年達。 サッカー部員だろうか。 「俺らのグラウンドに車停まってんだけど。」 ボールを腕と脇に挟みながら歩く青年3人組の一人がぼやいた。 「いや、逆だわ。駐車場で俺らが練習してんだよ。」 俺はわざとらしく驚いた表情を見せ武藤ムトウ 啓哉ケイヤの顔を見た。 俺は自分で言うのも何だがサッカーが上手い。 中学時代は俺の右にでるものはおらずチヤホヤされてきた。 そこで千葉県の強豪南総高校に入学。 しかし、上には上がいるという言葉は良くできたものだ。     
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