プロローグ

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入学した初日の練習で俺は現実を知る。 上級生だけならまだしも、同じ1年生ですら俺よりも上手い奴ばかりだった。 俺の実力ではBどこらかCチームのようだ。 Cチームの練習場は見間違えてもグラウンドとは呼べない駐車場だ。 メインの駐車場ではないため、車はあまり停まっていないが、下はアスファルト。 まともな練習なんかできるわけがない。 高校という青春の3年間をここで潰すのだろうか。 下ネタの話題で意気投合したムッツリで高身長な武藤と変態眼鏡の早坂龍弘ハヤサカ タツヒロという悪友が俺を潰す可能性もある。 「つか、雨谷アマガイその絡み何回目だよ。」 身長の高い武藤は呆れたという顔をしながら言う。 案外、悪友だと思われているのは俺なのかかもしれない。 早坂は無言で歩いているが、こいつの口が開いた時こそめんどくさいことはない。 一応サッカー部員として、ボールを持ってきてはいるが入学してから一度も使った覚えがない。 アスファルトの上で行う練習はサッカーボールを使わない。 個々で決めて練習を行う。 それは筋トレであったり、走り込みであったり、イメトレであったり。 練習をしない部員も多数いるが、ほとんどが上級生だ。     
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