5 足臭探偵・新崎!

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5 足臭探偵・新崎!

 美女は鳳凰会の幹部であることが明らかになった。障害者や高齢者を抹殺するために出来た機関だ。  死んで当然の人間だ。  フェニックスって電子メーカーが母体となっている。犯人なんかどうでもいいや。  それより歩き疲れたな?誰かに足を揉んでもらいたい。マッサージャーを呼んだ。  藤原ってカマキリみたいな陰湿そうな男だ。 「新崎さんお久しぶりです」  こいつを教師にしてやったのは俺だ。足を揉むくらい当然だ。悪徳介護施設でケアマネしてた。  残業代も出さないケチな会社らしい。  顔をしかめた。  「俺の足が臭いってのか?」  「いえ、そーゆーつもりでは」 「じゃあ嗅げよ?影学園の藤原さんよぉ?」 「影学園ではありません」 「ハゲ学園だっけ?」 「影井学園です」 「暗そうな名前だね?うしろ暗いことしてるんじゃないの?」 「してません」 「だったら嗅げるよね?」 「してます!」  パシャッ!パシャッ!フラッシュが焚かれる。  報道陣が藤原に群がる。 「今の話は本当ですか!?」  甲高い声の女性レポーターSがマイクを藤原に向けた。 『影井学園!忌まわしい過去!』  翌朝、出島にある水辺の公園レストランで朝食を取りながらニュースを見ていた。 運河に囲まれた小島にあるオシャレなレストラン。本当は11時からなんだが?特別に開けてもらった。名探偵にはイロイロと嬉しいことがあるのよ? 「お手柄じゃないですか?」  シェフがほめてくれた。 「イヤイヤ、大したことではありませんよ」 「足が臭いことで事件を解決した。足臭探偵・新崎」 「馬鹿にしてます?」 「いえいえ、尊敬してます」 「ランコウ行きました?」 「僕は女性に酷いことはしない主義です」 「蘭学の学校ですよ?何か勘違いしてません?」   長崎といえば蘭学だな?シーボルト事件とか、それぐらいしか知らない。 「まだ行ってません。自転車どこかで借りられます?」 「え!?自転車乗れるのぉ!?スゲーじゃん」 「はぁ?ナナハンやF-1じゃあるまいし誰でも乗れるでしょ?」 「長崎は坂が多いからさ?F-1くらいなんてことないでしょ?」
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