胃痛持ちな僕と偏頭痛持ちの君

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胃痛持ちな僕と偏頭痛持ちの君

「ストレスで胃潰瘍になってるんでしょう」 そう医者に言われたのがつい先刻。 総合病院の外来受付というのは得てして混みあっていて、中には咳をやたらめったらしていたり、はたまた何処が悪いのか分からない元気の塊みたいなお婆ちゃん集団が大きな声で井戸端会議をしている。 キリキリと痛む胃を手で擦りながらそんな様子を見詰めていると、俺がさっき入った診察室から一人の男性看護師が出てきた。 少し茶色がかった髪が、寝癖なのか所々跳ねている。白衣から伸びる腕は細いように見えるが、しっかりと筋肉が付いていて女子受けしそうだなぁなんてぼーっとした頭で考えていた。忙しそうに少し早足で何冊かのファイルを抱えている様子に、看護師という仕事も大変なのだとしみじみ思ってしまう。 にこにこと笑顔で患者の相手をするなんて、まさに天使の様だ。 俺は自分の名前が会計受付の事務員から聞こえたため、痛む胃を擦りながら席を立った。 「初診なので・・・」 会計の合算を口にする事務員の手元を見ていると、不意に先程の男性看護師が俺の横を通り過ぎる。 風の様に、というのが正直な感想だった。     
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